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家庭の数だけきなこ餅がある

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2人用(男性1;女性1) / 673字 / 相手のことを全部知りたいイチャイチャ

↓この台本には前編があります↓

↓この台本には続編があります↓

登場人物

A:女性。料理は母親から習った。プロポーズを受けるなら海の見えるレストランで。
B:男性。肉野菜炒めくらいは作れる。婚約指輪ではなく婚姻届を持っていくタイプ。

本文

A01「きなこ餅ってさ、自分の家の味があるよね」

B01「そうか?」

A02「あるよー。きなことお砂糖のブレンド具合とか。それとお塩を入れる加減が重要なんだ」

B02「え? きなこに砂糖なんて入れないだろ」

A03「ゆー君ってホント料理に疎いよね。きなこって、そのままだと味しないんだよ」

B03「いや、そのくらい知ってるわ。でもきなこ餅って黒蜜かけるだろ? 砂糖要らなくね?」

A04「黒蜜?」

B04「黒蜜。かけるだろ、黒蜜」

A05「かけるの?」

B05「……マジで」

A06「どーしよ。ゆー君、私黒蜜なんて持ってないよ」

B06「うん、じゃあ、まあ、無くてもいいんじゃね?」

A07「でもでも、ゆー君的には黒蜜かかってるのがきなこ餅なんでしょ?」

B07「だからいいって」

A08「良くないよ。だって、ゆー君がおいしく食べてくれなきゃ私も美味しくないもん」

B08「あー、じゃああれだ。一度お前の家の味を食べてみたい」

A09「えっ」

B09「……ということにしとこう」

A10「何それ。最後のすごく余計。ぶち壊しだー」

B10「うるさいな。何なら言いなおすか?」

A11「……それは、困る。なんというか、今言われると、すごく困る」

B11「何で」

A12「いいの! じゃあ、私もゆー君の……じゃなくて、黒蜜かけたきなこ餅、食べてみたい」

B12「今から黒蜜買って来いと?」

A13「もうお餅焼けたからダメ。今はお砂糖味のを食べて、晩御飯に黒蜜味のを食べます」

B13「えー、昼夜(ひるよる)連続できなこ餅かよ」

A14「大丈夫。きなこ餅は美味しいから。……うん、いい感じのきなこができた」

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