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実話

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3人用(男性2;女性1) / 960字 / ゲーマー兄弟にありがちなやつ

登場人物

A:次男。口が悪い。何かと不憫な星の下に生まれた。
B:長男。発想が常人のはるか斜め上だとよく言われる。
C:末の妹。ごめん、ちょっと嘘ついた。ウチの妹はこんなに愛らしくない。

本文

A01『かつて、我が家の子ども部屋にはいくつかのルールがあった。一つ、テレビゲームで遊ぶ権利は、先にゲーム機の電源を入れた者に与えられる。一つ、テレビゲームで遊ぶ権利は、いかなる暴力によってもこれを奪い取ることはできない。一つ、テレビゲームで遊ぶ権利は、プレイヤーが何らかの理由で席を立った時点でこれを失う』

B01「あのさ」

A02「何だよ。そろそろ替われよ」

B02「ええい、それが兄貴に対する態度か!」

A03「そういう小芝居は要らないから。そろそろ替われよ」

B03「ションベンしたくなったんだけど、代わりに行ってくんない?」

A04「はあ?」

B04「だから、ションベンしたいから」

A05「誰が?」

B05「俺が」

A06「それで?」

B06「代わりに行ってきてよ」

A07「誰が?」

B07「お前が」

A08「意味分かんないんだけど。つーか替われよ」

B08「いいじゃん、トイレに行くくらい。頼むよー」

A09「それに何の意味があるんだ。つーか替われよ」

B09「もしかしたら俺のこの尿意が解消されるかもしれないじゃん。俺たち、血の繋がった兄弟だろ?きっと尿道も少しくらい繋がってるって」

A10「気持ち悪いこと言うなバカ。さっさと替われよ」

B10「やだ。まだキリのいいとこまで行ってない」

A11「腰をモジモジさせるな! さっさとトイレ行け」

B11「膀胱が……破裂しそうだ……。ヤバいぜ……これは……やっぱりヤバいぜ……世界存亡の危機だぜ……」

A12「うっせーバーカ。我慢の限界超えて集中力が途切れまくってるじゃねーか。さっきから何回凡ミス繰り返せば気が済むんだ」

B12「あ、ゲームオーバー。……コンテニュー、と」

A13「すんなー!」

B13「くっ……。今日のところはこれで引き下がってやろう。だが、勘違いするな。俺は貴様に負けたのではない。ただ、ほんの僅かな尿意によって」

A14「いいからさっさとトイレ行ってこーい!」

B14「へーい」

A15「ったく。これでようやくこの間の続きが」

C01「ただいまー、ボンクラ兄貴どもー! 可愛いかわいい妹様のお帰りじゃー! 控えおろ―! 新しいゲーム買ってきたぞ―! ゲーム機譲れー! お菓子も出せー! ついでにあたしの代わりに説明書を読んで操作方法を教えやがれー!」

A16『特別ルール。末っ子には勝てない』

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