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セブンスハートの子守歌

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3人用(男性3) / 976字 / 借りものの言葉と自分の言葉が交錯するやつ

↓この台本にはノリの違う別エピソードがあります↓

登場人物

A:男性。勇者。借りものの言葉はそれだけたくさんの人に支えられてきた証。パンツ愛だけ自分の言葉。
B:男性。魔王。かつては勇者の親友だったが、なんやかんやあって世界を滅ぼすことにした。
C:男性。トーマ。勇者の仲間として魔王城に踏み入った。メルシーしているパンツは魔王の妹の遺品。

本文

A01「なあ、もうやめろよ! こんなことしたって何にもならないだろ! お前の妹はお前にこんなことをしてもらうために死んだんじゃない! あの子はお前に、ただ幸せになってほしくて、ただ生きてほしくて……。なあ。そうだろ?」

B01「どこかで聞いたような言葉で僕を哀れむな。真っ当な人生を与えられたやつに、人並みの幸せを授かったやつに、僕の怨嗟が理解できるものか!」

A02「俺だって辛いことは知ってる。悲しいことだって知ってる。だけどな、そんな不幸の先にはいつか必ず幸せが――!」

B02「幸せと不幸せが順繰りに訪れるのが人生ならば、僕にはそんなもの無かった! 人として生きてきた時間なんて微塵もありはしなかった! お願いだ。どこかの誰かの考えで、どこかの誰かの言葉で、僕を規定してくれるな!」

A03「俺はお前の絶望を知らない。自分の命と引き換えに世界を滅ぼそうなんて気持ちも理解できない。けどな! 俺はお前に生きてほしいんだ! 俺だけじゃない。アリスも! ルイも! トーマも! ジャスティンも! アドニスも! みんなそのために今も戦っている! お前に生きてもらうためにだよ! だったら、借りものの言葉でも何でもいい。お前を説得するしかないじゃないか!!」

B03「無意味だ! ――手遅れだ。そんなもの初めから僕には届かない」

A04「頼む。この言葉が路傍の石ころに如かぬ無価値なものであったとしても、たとえ幾百幾千の響かぬ言葉を投げかけることになっても、それでも諦めるものか! 俺の心だって初めから固まってる。お前を救うんだ! 絶対に諦めるものか!!」

C01「ここにおいしいパンツがあるぞー! ……メルシー!!」

B04「――ぐふっ」

A05「(くそっ。トーマのやつ。それは俺が見つけたパンツだぞ)」

B05「……どうやら手遅れのようだ。だけど、――ありがとう。こんな僕でも最後の最後に幸せを享受できた」

A06「(俺のパンツ。俺のパンツ。俺のパンツ。俺のパンツ。俺のパンツ……)」

B06「ハァ、ハァ……。ああ、君は、温かいな――」

A07「! 違う、違うぞ。こんな結末、ちっとも幸せなんかじゃない。お前は不幸に慣れすぎたんだ。……くそっ! お前の分までパンツをもふもふしてやるからな!! ――って、トーマ! そのパンツは俺が最初にもふもふするんだ! うおおおおおおお!!」

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