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ガーネット、ゼロセンチメートル

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2人用(男性1;女性1) / 631字 / 夕方の海岸で愛を語らう感じのお話

登場人物

A:男性。少なくとも前半だけは機械的というか、個性が希薄な感じでお願いします。
B:女性。実際の距離より大げさに距離感を取ると、男ゴコロにきゅんと来るかもしれません。

本文

A01「質問。あなたは夢を見ますか?」

B01「はい」

A02「それは、鳥のような夢ですか?」

B02「いいえ」

A03「それは、雲のような夢ですか?」

B03「いいえ」

A04「それは、波のような夢ですか?」

B04「いいえ」

A05「それは、魚のような夢ですか?」

B05「いいえ」

A06「陽が沈みはじめました」

B06「はい。オレンジ色の夕日がとっても綺麗です。白い雲が滲む。白い波が煌めく。鳥たちはオレンジ色の空のなかでまるで影絵のよう。魚は……さすがに見えないかも。オレンジの光がじんじんする。海風がしょっぱい。オレンジ、それからオレンジ、白、黒。綺麗。すごく綺麗。きっとこの景色はガーネットで出来ている」

A07「あなたの夢は、ここにありますか?」

B07「いいえ。ここは夢のような場所。だけど本物です。私がこの目で、この肌で感じ取るリアル。だから、いいえ。これは夢じゃない。……でもね」

A08「はい?」

B08「目の前にあなたがいるの。40センチ向こうにあなたが。この景色を教えてくれたあなたが」

A09「はい」

B09「私はね、思うの。私たちの距離は、もっとずっと近づける。カラダを越えて、ココロを越えて、ゼロよりもっとすぐ傍に。いつか、きっと」

A10「あなたの夢は」

B10「『私の夢はここにあるか?』……はい。私は毎晩、あなたのことを想っている。あなたはどう?私のこと、ちゃんと想ってくれている?」

A11「はい」

B11「本当に?……だったら、この夕日の先にあるのが、私の夢」

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