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いじわる。お姉ちゃん。黄昏。

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3人用(男性2;女性1) / 1630字 / 当時の内輪ネタ

登場人物

A:男性。8歳。京太郎。「嫌がらせ代理人」に嫌がらせを依頼した。
B:女性。10歳。まどか。好きな子にはつい意地悪してしまう年頃。
C:男性。20代。「嫌がらせ代理人」の前の宿主。

本文

A01「僕は相川京太郎。緑ヶ丘小学校の3年生だ。好きなものは本を読むことと、お母さんのスイートポテトと、……そのくらい。嫌いなものは近所に住んでる2つ年上のまどかお姉ちゃん。最近急に意地悪になって、僕の本を隠したり友達に僕の嫌な噂を話したりしてるから嫌い。昔はとっても優しくて、休み時間のたびに教室まで遊びに来てくれてたのに……。大嫌いだ。まどかお姉ちゃんなんて。……だから、僕がこれからすることは悪いことじゃないんだ。まどかお姉ちゃんの自業自得なんだ」

B01「待って、京ちゃん! まどかの筆箱返してよ」

A02「えー? 僕筆箱なんて知らないよ?」

B02「どこに隠したの? さっきまで手に持ってたくせに」

A03「しーらない。だいたい、まどかお姉ちゃんの筆箱なんて臭くて触れるわけないじゃん」

B03「ひどい! 最近おかしいよ、京ちゃん。なんでそんなこと言うの?」

A04「だって本当のことだもんー」

B04「もう京ちゃんなんて知らない! ……どうせ京ちゃんのことだからこの辺りに隠してあると思うけど……。あ!」

A05「うっわ、汚ねー。臭せー。まどかお姉ちゃんよくそんな筆箱持ってられるなー」

B05「ひどい。ゴミ箱の中に隠すなんて。しかもぐちゃぐちゃ……。ひどいよ、京ちゃん。どうしてこんなことするの」

A06「さあねー。自分の胸に聞いてみたらー?」

B06「もしかして、まどかが意地悪したから怒ってるの? それにしたってここまでしなくてもいいじゃない!」

A07「なんのことだか分かりませんー」

B07「やっぱり怒ってるんだ。京ちゃん、まどかのこと嫌いになっちゃったんだ。そうだよね。いっぱい意地悪しちゃったもんね。……ごめん。ごめんなさい。隠したもの全部返すから。全部謝るから。京ちゃんの言うことならなんでもするから」

A08「い、いまさらそんなこと言ったって」

B08「だから。ごめんなさい、京ちゃんにはいっぱいひどいことしちゃったけど、お願い、まどかのこと嫌いにならないで」

A09「……」

B09「ごめんなさい」

A10「……嫌がらせしゅーりょー」

B10「え?」

A11「僕の方こそごめんなさい、まどかお姉ちゃん。ちょっとやりすぎたかも。別にまどかお姉ちゃんのことが嫌いなわけじゃなかったんだけど」

B11「京ちゃん」

A12「また、一緒に遊んでくれる?」

B12「うん。……うん! 京ちゃん、まどか、京ちゃんのこと大す……」

C01「見つけた! まどかお姉ちゃん、そいつから離れて!!」

A13「……おじさん誰? 誰かと勘違いしてない?」

C02「ふざけないでよ! 代理人さん、お願いだから僕の体を返して。まどかお姉ちゃんに嫌がらせとか、よく考えたら全然やる意味ないじゃんか。僕、まどかお姉ちゃんの泣いてる顔とか本当は見たくなかったのに、なんであんなこと……。早く僕の体返してよ!」

B13「京ちゃん、このおじさん誰?」

A14「知らない。僕なんだか怖いよ、まどかお姉ちゃん」

B14「京ちゃんに手を出さないで! この変質者!きゃー! 助けてー! お巡りさーん!!」

C03「え?……まどかお姉ちゃん、違うんだ、僕だよ、京た……は、放して! お巡りさん、違うんです、僕は、……助けて、代理人さん、お姉ちゃん、まどかお姉ちゃーん!!」

A15「ありがとう、まどかお姉ちゃん。怖かったー」

B15「もう大丈夫だよ。京ちゃんはまどかが守ってあげるからね。……それにしてもさっきの変なおじさん、いったいなんだったんだろ?まどかの名前知ってたし」

A16「まどかお姉ちゃん、そろそろ帰ろうよー」

B16「……そうだね。暗くならないうちに早く帰ろ。ね、京ちゃん、昔みたいに、手、つないでもいいかな?」

A17「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。僕、悪い子だったよ。本当はそんなつもりなかったんだ。ごめんなさい。全部謝るから。何でも言うこと聞くから。ごめんなさい。だから、僕を助けて。……怖いよ。まどかお姉ちゃん」

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